心の濁り
                                                              平成28年6月25日

 暑かったり、涼しかったりした日が続続いていましたが、突然の猛暑に、なんだか体がだるく、やる気が起きない今日この頃です。これから暑い日が数ヶ月間続くと思いますと、ぞっとしますね。

 暑くてたまらない日に、冬の出来事の話をしても、聞いている方は実感がわかず、話す方の気持ちに入りにくいことがあるのではないでしょうか。人は、その時に置かれた環境によって、人の話に実感がわき、心から聞くことが出来るのですが、このような暑い日に冬の話をしても無理というものです。
 
 これと同じようなもので、人の頭の中は、好み、主義、主張などが入り混じっていて、人の話を聞くときにも、すでに色眼鏡でものを見るように、聞く前から色をつけて聞いてしまうことがあります。これでは、人の話を正確に聞くことも出来ませんし、ましてや最適な判断をする事さえも出来ないものです。

 では、どうすることで、正確に人の話を聞くことが出来るようになるかと言いますと、
  「かたよらず」
  「こだわらず」
  「とらわれず」
にする事が大切だと言われています。

 私達は、置かれた立場や、環境、そして主義、主張で、頭の中は整理がつかず、茶色く濁った水のように、いつも考え事をしながら生きている人が多いものです。そこへ、迷い事を入れても、何も見えず、さらに濁りが増してしまうのです。これでは、良い結果が生まれるわけがありません。
 だからこそ、「かたよらず」「こだわらず」「とらわれず」にして、心が穏やかになるまで、静かにしている事です。それは、まるで泥や砂が次第に底に沈み、水がきれいな透明になって行くのと同じです。迷った時には、じっと息を整え、頭の中の残留物が沈殿し、すっきりした状態になってから物事を判断する事が大切なのです。

 リーダーの仕事は、組織を適正な方向へ導くために、1つ1つ丁寧に判断をする事が最も大切な仕事の1つです。そこに、偏り・こだわり・とらわれた心で、集団を導いてしまったとしたら、決してその集団はまとまることなく、糸の切れた凧のように、それぞれがバラバラに動いてしまい、何も達成させることは出来ません。ですから常日頃から平常心になれるよう心がけているのですが、これがなかなか難しいことです。