年輪が大木を支える

                                                   平成21年8月25日

 

今年は梅雨が明けるのが遅かったので、夏が短く、もう秋空が広がる季節となってしましました。
  日本には、ハッキリとした四季があります。そして私達はこの四季を肌で感じながら暑い夏や寒い冬を楽しみながら(辛いときもあります。)生活をしています。植物もこの四季を感じながら春には花を咲かせ、夏には幹を太くし、秋には実らせ、そして冬にはじっと堪え忍び春を待っていることでしょう。

 木の年輪はご存じのとおり、一つの輪で一年を表しています。輪状に見えるのは、春には幹の肥大成長が盛んで、夏にはゆっくりになるためだそうです。木はこの年輪が多ければ多いほど当り前ですが長生きをしている証拠なのです。住宅の材木で使う木としては、見た目に太い幹よりも、幹は細いけど年輪がたくさんある材木の方が丈夫だと言われているそうです。しかし、四季のない熱帯雨林では、まれに年輪のない樹木が存在するようです。環境から影響を全く受けないでいると、年輪を刻むことがなくなってしまうのでしょう。

 

 現在、企業にとっては寒い寒い冬の時代がやってきています。新聞紙上では景気の後退も落ち着いたように掲載されていますが、まだまだ春の気配さえ感じられません。この冬の時代に、ただ「寒い寒い」と言って服も着ず、暖房も点けずにじっと待っていて良い結果が出るはずもありません。「こちらで火にあたりなさい」と言われるのを待っているのではなく、自ら進んで暖を取る工夫をしなければならないのです。それが生きていく力になるからです。
 堪え忍ぶ時代を「知恵」と「勇気」をもって乗り越えた人は、太い年輪を作ることが出来、景気の良い成長時期にはこれに甘えず「倹約」と「挑戦」を続けていくようにし、ただ幹を太らす事のないように努めることが必要なのです。

 人と比べ競い合い、ただ闇雲に業界の中で一番を目指すのではなく、業界で他にはない“唯一”を目指して行く方が、楽しいのではないでしょうか。比べるのは他人とではなく、昨日の自分と比べるようにして下さい。