歴史と発明 

                                              平成22年5月25日
                                                                               
 日本書紀という書物があります。日本書紀は奈良時代に成立した日本の歴史書だそうですが、それまで日本は、自国がどの様な国なのかを紹介する書物が作られておらず、その時代の風景を、後世に残すために作られたそうです。しかし、この日本書紀に書かれていることが全て本当のことだったわけでは無いようです。なぜならこの書物にはもう一つ理由がありました。それは海を渡って外国から来た使者に「日本はこれほどすごい国です」とアピールするために作られたとも言われているからです。現代風に言えばパンフレットのようなものだったのでしょう。そのため、日本を過大に表現しすぎた点もあるようで、嘘の記述も多々あり、未だに全てが解き明かされているわけでは無いようです。歴史を研究して行くには、それを裏付ける物の発見が大切なようです。
 
 人が後世に代々伝えていくために長い間使われてきたものが紙なのですが、もうすぐ紙のいらない時代が来るようです。今年は各企業から、紙に変わる媒体が次々と発売され、私もどの様な使い方をしていくのかワクワクしながら情報を集めています。まさに「あったらいいな」が実現していくようです。何十枚、何百枚もコピー機を駆使して印刷をしていたものが、全くいらなくなるようですから、コピー機については革命が起こる事でしょう。また、地球を離れた宇宙で、5ヶ月以上に渡って国際宇宙ステーションに長期滞在している野口聡一さんが、いよいよ6月2日、地球に帰還する予定です。宇宙へ行ったことの無い私には、宇宙へ行くどころか、長期間に渡って滞在することが出来る事だけでもすごいことなのに、その人とテレビや電話を通じて更新が出来るなんて、本当に信じられませんね。

 

 歴史をひもとくために研究をする方もみえれば、新しい技術を提供するために研究をする方もみえます。それを使わせていただくだけの私にとっては、ただただ頭が下がる思いでいっぱいです。
 
 歴史の研究は過去の研究であり、新技術の研究は未来の研究であるため、相反するように思えますが、この二つには共通点が有ります。それは歴史の研究も、新技術の研究も、両方とも「発見」をすることから始まるからです。地球上にある、全て物は必ずその地球の上に存在しているのであって、それは静かに発見されるのを「じっと」待っているのです。過去の出来事はもちろんのこと、新しい技術にしても必ず地球上のどこかに存在する物を使ったり、組み合わせたりして、新発見へと導いてくれるのです。そう思いますと、自分の身近なところで「大発見」となる物が発見されるのを待っているとしたら、そう思うだけで、動き回ってみたくなりませんか。自分の身の回りにある物や、人から聞いた事でも、少し気に掛けて「発見」をしてみましょう。