のどが渇いた時に、海水を飲む

                                                    平成22年7月25日
                                                                               
 大変な被害をもたらした梅雨が明けると、毎日猛暑が続いております。子供達は夏休みとなり、本格的な夏がやってきました。
 私は暑い夏となると涼しさを求めてしまい、特にエアコンの効いた部屋で過ごしてしまいます。寒かったであろう冬の様子は、全く頭の中には残っていません。

 その時に感じているものが長く続いていくと、人間はそれに適応して生活をしていき、この環境に慣れてくると、少しでもこれを維持しようと考える様です。

 

 今年、消費者金融に関する法律が改正されました。一度、借りたお金で生活をしてしまうと、今ある以上のお金を使うことを覚えてしまい、これを無意識のうちに続けて行ってしまう。そんな恐ろしい習慣を維持しようとしてしまうようです。お金が足りないときに借りる、これは大変便利な取引です。しかし、借りたお金は返さなければいけないことを本当に意味で理解をしなければなりません。また、借金で苦しんでいる人にお金を貸す行為は、実は何の問題の解決にもなっていない事も多いようです。


 お寺の住職様に、次の言葉をいただきました。

 

 のどが渇いた時に、海水を飲む 

 今の季節、のどがからからに渇いてしまったときに、思い余って海水を飲んでしまう。すると飲む前よりももっとのどが渇いてしまいます。これは生物学的にもいえる話です。昔の人は、この現象を子供達に教えとして広めました。「自分が困ってしまったときに、安易な方法で解決をしようとすると、さらに困ったことになる」と言っているのです。

 

 現在の日本のおかれた現状は、まさにこのことと同じように思います。国は資金繰りに困ると、簡単に借金をし、さらに将来に対してより大きな問題を残して行ってしまう。根本的な議論もせずに、安易な方向へ向かっていく典型的な状態でしょう。このことから、私達は、一人一人もっと自分の事、働いている地域の事、そして生活をしている国の事を考えて行かなければならないのでしょう。そして、先人達から今の世の中を預かった私達が、次の時代の人達にお返しをするものが、恥ずかしいような国では格好悪いではありませんか。子供や孫に渡していくもの、伝えていかなければならない教えを、今を生きる人達で大切にしていかなければいけませんね。